大学院生の考えごと-日本語教育とタイの世界-

大学院博士後期課程在学中であり、タイ在住の日本語教師による考え事ブログ。

【読書録】清水崇文(2018)『コミュニケーション能力を伸ばす授業づくり:日本語教師のための語用論的指導の手引き』

サワディーカー。

今日はこの本!

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めちゃめちゃ読みやすかったです。

第二言語習得の理論を簡単に復習したいときに、

また開いて見てみるのもいいかも。

後半は、本の宣伝か?!と思いながら読んでしまったけど、面白かったからまあいいや。

 

それから、私が一番印象に残ってる部分。

「コミュニカティブな運用練習」説明が何度も?あ、二回かな?出てきた。

私もこれを声を大にして言いたいのさ。

「コミュニカティブな運用練習」とは、会話の場面、会話参加者の関係、その他の会話に影響する重要な要因などが詳細に設定された状況で、自己の会話の目的(意図や相手への配慮)を達成するためにコミュニケーションを行わせるような運用練習のことです。従来の日本語教育で行われてきたような、文法項目の定着の総仕上げとして学習した文法項目を使って学習者が言いたいことを言わせる練習を「コミュニカティブな運用練習」と呼ぶことがありますが、そうしたものとは似て非なるものですので、混同しないように注意してください。(清水,2018:85-86)

私の職場の壁に、家訓みたいな感じで、

大きく張り出してやろうかと、思うくらいです、はい。

 

あーあ、私もこのくらい情熱を持って、

本を出せる人間になれたらいいなー、

なんて、思った夜でした。

リエントリーパーミット〈チェンワタナ編〉

サワッディーカー。

 

昨日は、一時帰国のためにチェンワタナまでリエントリーパーミットをとってきました。

VISAを切らさないためにも、

これが必要なわけです。

 

これまではドンムアン空港の近くに住んでいたのもあって、

いつも、ドンムアン空港でチェックインして、

イミグレのはんこを押してもらった後に

リエントリーパーミットをもらえる部屋に入って、

そこでもらってました。

たしか、普通1000バーツだけど、

なんの書類も写真も用意しなくても色々やってくれるので、

1200バーツ払ってたかな。

何時でもいつもあいてたなーあの部屋。

ほとんど待ち時間がないのも有り難かった。

 

で、今回は、スワンナプームの深夜便をとっているのです。

色々調べると、スワンナプームは、

5時から24時は確実にあいてるみたい。

深夜帯は、中に入ってから別のところでリエントリーとらせてもらえるみたい。

おー、なんか、一か八かの勝負な気がする。

係員が不在だと、それで終わりだし…

職場に迷惑かけたくない…

 

ということで、思い立って、トーモーチェンワタナ(ต.ม.แจ้งวัฒนะ)へ!

 

持ち物は、
①T.M.8(サイトから印刷、記入済み、6×4センチ写真貼り)※1枚目のどこか分かりやすいところに携帯番号を書いてほしいらしい

http://bangkok.immigration.go.th/base.php?page=re-entry

②パスポート
③パスポートコピー(顔のところ、VISA、入国許可証カードや最新の3-4ページあたり)※すべて紙にサインを書いておく
④万が一のための、ワーパミ
を慌てて準備!

 

※チェンワタナでとる場合は、事前予約制度もあります。

これだと五分で終わるとか。(ほんまか?)

この中に予約のリンクがあるので、

インターネットエクスプローラで開いてください。

http://bangkok.immigration.go.th/base.php?page=re-entry

 

さて、さて、わたしはというと、

午後1時半にタクシーに乗り込み、

午後2時半に到着。

建物はBです。大きいやつ。

すぐに入って、右にあるところに入って行って、

受付で書類を見せたら番号をもらって、

見ると…125人待ち。

まあそりゃそうでしょう。

これは三時間コースです。

 

そこからは、一つ下の階に降りて、ご飯を食べたり、

同じ階ではだいたいなんかのフェアをしているので、

その辺でショッピングしてみたり…

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もう待てない!となったところで、

中に入って、カウンターc2(2018.03.30現在は)の前で座って読書、うたた寝、読書。

 

それでようやく!!!呼ばれた!!!

提出!ものの1分!!!

 

そしてまた1時間以上延々と待つ…

 

呼ばれた!!!できた!!!

 

中身のチェックをしっかりして…

完了👌

 

17.20ごろに終了。

GRABタクシー呼んでも、そりゃこない。

バイクタクシーで道沿いまで出る。

こりゃ、大渋滞。

歩道橋を渡って、タクシーを待ってみるけども、

こりゃバスかロットゥーコースだな、と。

そこへ、BTSチャトチャック行きのバスが!!

よっしゃー!!!

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みなさんも、午後のイミグレには気をつけてください。

って、当たり前か。

(でも、一時間でBTSには着きましたよ👌)

マヒドン大学が素晴らしすぎる。

こんばんわっでぃーかー、ちぇるです。

 

1週間、母校及び現在も所属する日本の大学の御一行様がタイに来られ、

タイ語通訳アテンドをしてまいりました。

忙しい1週間でしたが、とても幸せな1週間でした。

こちらの大学がメインの訪問先でした。

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現在イケイケのマヒドン大学!

ひゃーー素敵な大学だった。本当に羨ましい。。。

 

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え?!これ大学の中?!

洗練されたおしゃれな国立大学・・・おそろしい・・・。

 

この大学に足を運んだ若者は、絶対ここに入りたいって思うでしょうが!!

素敵すぎる。

写真を撮るのを忘れたけど、Music Boxとかいうオシャレなイタリアンレストランもありましたとさ。

 

超お金持ち国立大学。創設者はラーマ5世だったかな、マヒドンって、その王様の苗字なのだそう。

医学部と音楽学部が有名って・・・日本のものさしでははかれないよね。

 

すばらしかった。

わたくし、ここで働きたい!!!!!!!

がんばろう、博士号。

やっぱり動機づけかも…

サワッディー、ちぇるです。

 

今日は久しぶりに、私が初めてタイで働いた21歳の時に知り合った兄さんと会って来ました。

この兄さんは10歳くらい上の人で、

うちの大学のご縁で知り合わせてもらった兄さんです。

とても独特な人で、でも、なんか定期的にらんらかを絶やさないでくださるし、

会って話すと、やる気エキスを下さるお方。

 

兄さんも、この秋から博士後期に入るそうで、

研究の話、日本語教育の未来などについて話せるんですね。

これはとっても楽しい。

 

今日の心に残ったこと

1.英語の勉強しよう。

2.書けるテーマで博論書こう。

3.ネットワークは大切。人とのご縁は大切だ。

 

ということで、来月の担当教官訪問では、

博論の話、動機づけ関連でいきます、と、述べてみようと思う。

自分の足りないことを埋めてくれるような、

そんな研究が四年かけてできればいいかなと思っています、と。

でも、トランスランゲージングや、複言語やら、

日本にルーツのある学生研究やらのことは、

一生かけてのテーマにしていきたい、と。

 

これでいけるだろうか〜〜…

がんばりまーす。

 

それにしても今日のカフェはお洒落やった。

エムクオーティエ、二階。

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お洒落なドリンクは200バーツ以上したけど、

カフェラテとかは150バーツでした。

VANILLA カフェかな?

料理もかなり美味しいらしい。今度食べてみよ〜っと。

 

では。ラートリーサワット!

博論のテーマに右往左往

サワディーカー、ちぇるです。

 

私は、現在博士後期課程に在籍しながら、タイで働き、

そして、研究も地道にしている半分先生、半分学生なんですが。

 

博論のテーマにぶち当たっています。

来月、久しぶりに担当教官のもとを訪れて、

「研究相談」をするので、そこでまた結局ぶれていったりするんだろうなあとは思います。

でも、今の考えをまとめておこうと思います。

 

博論のテーマで悩んでいた時、所属する大学の他の専門の先生に、

「博論はできることをすべし。3年で書けることをすべし。

自分が本当にやりたいことは、そのあとながーーい時間をかけてすりゃあいい。」

というお言葉をもらいました。

 

たしかに。

 

また、その先生曰く、

「あなたの専門は何ですか?博論の研究テーマは?と聞かれて、

バチっと短い言葉で説明できないようなテーマ設定は、どうなんだろうか。

自分にとって、何か一つ、武器になるようなもの、武器として話せるようなことを、

したほうがいい。」そうです。

 

たしかに、私のこれまでの研究テーマは、

  1. 継承日本語教育研究のはしくれ
  2. 日本語学習の動機づけ

なんです。

1に関しては、”はしくれ”であるから、つまり、”ド専門”とは言いきれない、

逃げの姿勢なわけです。

継承語話者の日本語能力のなんちゃらかんちゃらではないし、

継承語話者のアイデンティティがなんちゃらかんちゃらでもないし、

してきたことは、継承日本語学習者の日本語学習の動機づけのようなものです。

だから、勉強してきたことは、第二言語習得の動機づけのほうだったり、

動機づけを解明するために、社会学のライフストーリー研究を援用したり、

なんかそんなようなことです。

だから、継承日本語教育研究が専門です!と言うのがこわいわけです。

 

そして、今回またタイに働きにやって来て、現在の職場では、

タイの学生の動機づけを量的研究でやっていく、初の試みに挑戦しています。

でもね、・・・たのしくないんです。

興味がないわけではないけど、知的好奇心はわくわくしない。

でもね、・・・私の専門は「タイ語母語話者の日本語学習の動機づけ」です。

って、非常にわかりやすくない?

むしろ私が今やっているのは、「動機の減退」のほうなんですが、

あんまり日本語教育では進んでいる研究ではないので、

・・・よくない?

 

しかも、質的研究をしてきた私は、量的研究はさっぱりわからなくて、

でもこのまま大学の世界で生きていこうと思うなら、

苦手分野は少ないほうが良いと思っていて。

読める論文が増えるほうがいいと思っていて。

だから、・・・量的研究も質的研究もやっていける研究者になりたいと思っていて。

学生でいられる最後の3年間の間に、苦手を克服したいなとも思っていて・・・。

 

さあ、私の博論はどこに向かうのでしょうか。

楽しみでもあり、恐ろしくもある。はっはっは

週末の発表準備

サワディーカー、ちぇるです。

 

週末に一つ短い発表を控えています。

口頭発表をするのは、これで6回目。

あれ、少ないな。まだこんなもんか。

準備をしていて、こんなんでいいんかなー、こんなもんで大丈夫かー、

となっているのですが、

あー心配。

今回は、私自身の研究発表じゃなくて、

所属する研究会を代表しての、成果報告のようなものも兼ねているので、

自分の考えだけを突っ走って話すこともできず、

心配が止まらない。

でも、複言語・複文化能力観だったり、トランスランゲージングのことについて触れることができるから、

私としては、一歩を踏み出せる発表としたい。

 

がんばるぞー。

【読書録】トムソン木下千尋編(2016)『人とつながり、世界とつながる日本語教育』

実は修論を書き終わった一年前の春休みに買っていた本。

ようやく、がががっと勢いに乗って、まずは読みたい部分を読むことができた。

日本国外の大学で日本語教育に携わっている身として、

トムソン木下先生の論考はいつもとても面白く感じる。

国外の外国語としての日本語(JFL)学習者に対する日本語教育を考えることが、

私にとっての生業ともなりつつある。

 

今回、この本を買った理由は、トムソン木下先生が編者であることと、

「トランスリンガリズム」と「継承日本語教育」が目次に出ていたからだ。

継承語のほうをダグラス昌子先生が書かれていたことも大きい。

 

この本を読んで考えたことを4つ。

①来年度の「上級文法」の授業をどうしていこうかということ。

この本でドルニェイのL2 self motivational systemを思い出した。

修論でも援用した理論だが、この考えを用いた授業設計ができないだろうか。

「上級文法」とはいえ、きっと学生の中にはN1所持者から、N3レベルまでいるだろうし、

どの学生のレベルに合わせても、どこかに不満が出る。

というか、そもそもこの考え方が、一斉授業から抜け出せていないことを表している。

だから、今回は…第1回目の授業で学生と相談、かな。

何を勉強したいか、自分はどうなりたいのか、でもそれぞれの仕事先ではどんな自分が求められているのか、

それを自分で考えてもらう。

そして、これまでの日本語学習経験を振り返ってもらって、

これからの自分にはどんな日本語学習が必要なのかを考える時間をとる、かなあ。

まあ、ひとまず、

これに関わる論考が2本載っていたので、しっかり読んで今後の参考にしたい。

 

②↑の授業について、実践研究としてまとめて、どこかで発表しよう

しっかり考えて授業を始めることができれば、

来年度、どこかの研究会、学会、シンポジウムで発表としてまとめよう。

これを思うと、とてもワクワクするのが…やっぱり研究が好きなのかもしれない。

(いやいやそれはきっと錯覚。)

 

③教室の中に学生を閉じ込めているのが今の現実

そう。でも、結局は、今の職場では、特に!、「つながり」はない。

相変わらずの一斉授業。

教室に学生を「閉じ込めている」のだ。

分かってはいたけど、改めて、読者に突き付けてくれた良本。

来学期は、せめて、同じ科目の他教師の教室とつなげてみようかな。

同じ思いを抱いている同僚と、相談しよう。

 

⑤自分の博論のテーマに悩む

うーん。やっぱり、こういう関係の本は面白かった。

自分の興味と、できること。

このはざまで揺れ動く、わたし。

 

もう少し、読書を続け視野を広げていこう。